ノン・フィクション=中学生時代

私は、比較的、小さい悪戯(いたずら)ばかりしていた小学校時代を経て、その延長として中学校時代も勉強もせず、毎日、毎日、徹底的に遊んでばかりいた。学校にも通ったり、通わなかったりしていたダラしない人間だったのは、言うまでもない。小学校の時代の小さい悪戯も通用せず、隣町の小学校との合併により様々な同級生達と過ごすことになった。隣町といっても思春期ド真ん中の中学生にしては、刺激が強かった。

一応、クラブには所属したものの、あんまり馴染めず中学2年生の1学期には、既に辞めていた事を覚えている。辞める理由は、いたって簡単だった。単純に勉強するからと言って辞めた。もちろん、そんなものは辞める為の口実だ。部活も面倒がる人間が勉強を面倒がらずに出来るはずがない。

それから、というもの学校へも行くのも面倒になった。そんな感じで、2年間程度通う事もせずに、フラフラしていたのだ。朝起きれば学校へ行くと言えば、学校へも行かずにその辺りをフラフラしていた。移動手段は、自転車しかなかったので、遠くへ行っても姫路市街や高砂市街をフラフラするぐらいで一日が過ぎていた。場所を見つけては、そこで時間を潰すという繰り返しだった。

ただ、それも6ヶ月程度が過ぎるとフラフラすることすら飽きてくる。暇になると本や新聞を読むようになった。ただ、飽き症だったのか、集中力が無かったのかは、紙一重だろう。それもそんなに長続きしなかった。スポーツ新聞だけは、比較的、自分の心の中に入ってきたので、読んでいた。それは、単純にオモシロかったからだ。衝撃的な青春を目の当たりにするキッカケとなっていた。

そうこうしている内にそんな生活を2年間もしていれば高校への進学なんて、もう皆無な状態。働くか、進学するかの2択だけだった。しかし、進学するにしても諸事情により公立高校に進学するなんて壊滅的な衝動。公立高校がダメだから私立高校への進学になった。この段階で、高校へ進学することが出来る環境があるのが、不思議なぐらいだった。

そんなダラしない人間でも高校受験というものを経なければいけなかったのだが、家庭の金銭的な事情もあり、高校へ進学する事は、半ば諦めていた。中学卒業も3ヶ月ぐらい前になってくると同級生達は、高校の話に花が咲いていた。もちろん、その和の中には、入る事も出来ず、ダラダラしていた。そんなある晩ご飯時に、珍しくも父親から話しかけてきたのだ。。。

父親「おまえ!!求人広告なんか見とって、高校に進学する気ないんか?」

自分「ないよ。中学でたら働くねん。一生懸命に働いて会社の社長になるねん。」

父親「そうか!?それでもええけど。受けるチャンスがあるんやから受けてみたらええやないか。結果やなくて、チャンスを活かして結果を導き出せない者は、会社の社長には、なられへんぞ。」

自分「そうやなぁ〜!!ほんなら、受けてみるだけ受けてみるわ」

この段階でまさか自分が合格するとは、知る由もなかった。正に無謀な挑戦であるのは、周知の事実。そんな感じだったので、学習塾や家庭教師にお願いする気も、一切しない。ただ、持て余した時間を何となく過ごしていた。試験勉強というモノは、ほとんどしていなかった。ただ1つだけやっていた事がある。それは、過去問だ。

確か、親父がこれぐらいは、やっとけというものなので、とりあえず開きはしたぐらいで、やはり、何にもしていなかった。つまり、真っ白け!!当日がやってきた。完全に北国である。自分の住んでいるところとは、まったく違う環境。一言で、言うと寒いところ。何にもない。雪がふっていた事を覚えている。ブツブツ文句を言いながら試験が始まり、疾風の如く、試験が終了して、早々に帰路についたのだ。

やれやれと思いながらいつものように今まで変わらぬ日々を過ごしていた。そんなある日。。。再三、学校からの電話があったので、普段から電話線を抜いておいた。ただ、この時ばかりは、さすがに違っていた。人間というものは、おかしいもので、普段とは違った環境に赴けば、それ相応の期待をするようだ。一先ず、合格発表の日だけは、電話線を入れておいた。その日のお昼過ぎぐらいに学校の先生から電話があった。

プルルル、、、プルルル、、、

私  「はい」

先生 「和田か」

私  「そうやで」

先生 「話したい事があるから学校へこい」

私  「え!?なんで???」

先生 「ええから、こい」

私  「わかった」

もちろん、行く訳がない。それを理解してなのか、どうなのかは不明だが、わざわざ学校の先生が自宅にやって来た。

先生 「こんにちわ」

私  「はい」

先生 「高校受験の結果が出たぞ」

私  「あぁ〜そうなん!?で、何しに来たん???」

先生 「おまえに結果を伝えに来たんや」

私  「あ、そうなん!?」

先生 「気にならんのか???」

私  「よう分からんねん」

先生 「おまえ合格や」

私  「よかったやんって、うそん」

先生 「ほんまや」

私  「そうかぁ〜、、、合格かぁ〜、、、」

先生 「卒業式の練習あるんやからちゃんと学校こいよ」

私  「わかった」

これで、ただ何となく高校合格を手に入れた。しかし、「学校へこい」と言われて、行く訳もなく、そのまま卒業式当日を迎えて、オモシロくない中学生活に幕を下ろしたのだった。一生に一度、あるかないかのダラしない良い経験が出来た(笑)これで、晴れて高校に入学しなければいけないようだ!!とりあえず入学してみる事にする。