入社前から入社5年目に至るまで

佐野 麻菜

【はじめに】
 私は,学生時代に家庭教師を始め,受験塾家庭教師に出会い,卒業後は受験塾家庭教師でプロの家庭教師としてお仕事を続けています。家庭教師は学生の主要なアルバイトの1つと言えます。そして,子供達の成長の一端を担う重要なお仕事であると考えています。しかし,比較されやすい塾講師と比べても卒業後に家庭教師を続ける人,まして正社員として家庭教師を続ける人は殆どいません。本日は,私の入社までの経緯と受験塾家庭教師についてお話をし,家庭教師を生業にすることや,受験塾家庭教師を知るきっかけになれば幸いです。

【入社前】
 家庭教師のお仕事を始めたのは,大学1年生の頃でした。自分が解ける問題を教えることぐらい簡単だ,という気持ちで始めましたが,自分が自然にやっている事を上手く言語化できない,指示が伝わらない,(生徒が)分かっていない事が分からない,と私自身があたふたしてしまった事を覚えています。しかし,「人に教える」ということ,「自分で考えて解決して行く」ということが,性に合っていたのでしょう。徐々に家庭教師という仕事が楽しくなり,掛け持ちをしていたアルバイトを辞め,家庭教師1本でアルバイトをするようになりました。学生時代,様々なお客さまに出会いました。楽しいばかりではなく,難しい事態に直面したりトラブルが発生する事もありました。それでも,その時々の状況をどの様に切り抜けるかを考え,解決することに「やりがい」を感じ,「最近ちょっと勉強が好き」「先生にずっと教えてほしい」といったお声が「支え」となり,家庭教師という仕事が日に日に好きになりました。

【入社経緯】
 3年生になり,「就職」という言葉が出始めたころ,一度は一般的な企業への就職を考えました。しかし,家庭教師という仕事が大好きだった私には,「本当にこのまま家庭教師を辞めて良いのか」という迷いがありました。その頃には,「家庭教師」は「ただのアルバイト」ではなく生きがいの1つになっていました。生徒・親御様にとっては「ただアルバイトだから」「学生だから」は通用しないという思いを持ち,未熟ながら本気で家庭教師というに仕事に奮闘していました。「家庭教師」という仕事を,「学生時代のアルバイトの1つ」として終わらしたくないという思いが強まり,4年生になるタイミングで家庭教師を続けたいと両親に相談しました。派遣や紹介を中心とする家庭教師では生活が不安定だ,一度は一般企業に入り正社員として働きなさいと,当初は家庭教師を続けることに反対を受けました。しかし,「正社員で安定していれば反対されないな」と諦めず,「家庭教師 正社員」でネット検索し,辿り着いたのが「受験塾家庭教師」でした。「新卒」の記載がなく,相手にしてもらえるのか不安でしたが,そもそも正社員で家庭教師を雇っている会社はほとんどなく,更にホームページを読み込んだ結果,「信用できる場所はここしかない」と,藁にもすがる思いでコンタクトを取りました。幸い,「新卒」であることは問題なく,すぐに履歴書をオフィスへ提出し,面接の流れとなりました。
 面接当日,最初に社長である和田さんとお会いした印象は,「気さくな方」です。今振り返ってみると,この「気さくさ」は,面接時から現在に至るまで一切変わっていないように感じます。良い意味で,上からの圧を感じないため,始めて言葉を交わした瞬間から余計な力みが薄れ,素直に伝えたいことを伝えられたように思います。そして,その場で「採用」という言葉を頂きました。
 採用をいただいた後は,メールやお電話でのやり取りを中心に入社準備を進めました。内定式等はなく,面接後入社までに社長とお会いしたのは1度です。その間に,ipadや電気自動車,車の充電設備の支給に関する具体的なお話がありました。あまりにも至れり尽くせりであったため,「上手い話には裏があるのでは?」と,かえって不安に思いましたが,そのような心配は杞憂に終わり,3月21日,周りよりも少し早く入社初日を迎えました。

【受験塾家庭教師について】
 ここからは,受験塾家庭教師(株式会社nawadan)がどの様な企業であるかお話しします。
 受験塾家庭教師の特徴は,家庭教師が抱える様々な課題に取り組む企業であることです。家庭教師といえば,休みが不定期(土日は仕事),就業時間がバラバラ,収入が安定しない,個人活動であるといったイメージがしばしば挙げられ,これは事実でもあります。アルバイトや副業としては,隙間時間を活用できる,高時給というメリットが目立つ一方で,本業としては不安定な要素が多すぎると言えます。しかし,休日・就業時間・収入・会社という点に於いて,受験塾家庭教師は所謂一般企業に決して劣りません。
 まず,休日は土日固定です。祝日は通常勤務ですが,土日はお休みなので友人や家族と休日を過ごしたり,旅行に行くのに支障はなく,スケジュールが明確なため,予定も立てやすい環境です。
有給休暇を合わせることで1週間ほどの休みを取ることも可能です(GW・夏休み・冬休み等)。また,就業時間も固定(15:00〜22:30)です。指導がある時間=就業時間ではないため,仕事の時間とプライベートの時間が明確といえます。指導へは直行直帰するスタイルのため,「出社」の必要はなく,指導がない時間は授業準備等を行います。移動のために始業開始時刻よりも早く自宅をでる事はありますが,どんなに早くてもお昼過ぎまでは余裕があるため,役所に行ったりランチに行ったり,習い事もできます。何より夜更かししても仕事に遅れず十分に眠れます。
 次に,給料は固定給です。歩合制ではないため毎月安定した収入が得られます。個人では決して叶わないことです。また,通常家庭教師は休みを取る場合,振替を行います。この点は受験塾家庭教師も同様ですが,有給休暇を利用するためその月の収入が減ることはありません。お客様との指導時間と社員の収入,両方が守られています。さらに,実績はボーナスと昇給に反映されます。
ボーナスや昇給(指導料金が上がるわけはない)という制度も,個人の家庭教師では考えられない事です。
 第三に,受験塾家庭教師(株式会社nawadan)は社員の味方であり,守ってくれる存在です。多くの場合,家庭教師は個人で活動します。派遣会社が行うことは仲介であり,生徒と教師間が規定・規則を守る限り,介入はありません。時に教師の個人情報(住所を含む)をお客様に提示する場合もあります。個人宅へ伺う事,個人情報を出す事にはリスクがありますが,個人契約の場合はもちろん,派遣会社も教師を守ってはくれません。受験塾家庭教師では,社員の住所をお客様にお教えする事はなく,リスクヘッジ,万一のトラブルに対処できる体制がとられています。そして何よりも,個人ではなくチームとして活動できることが大きな強みです。家庭教師を続けると決めた時,一人でもやっていけると考えていました。しかし個人では家庭教師として相談できる相手はなく,自分のやり方以外を知る機会が得られません。指導に悩んだ時,他者からアドバイスを得る機会もありません。一人でできる事には,おそらく限界がありました。株式会社nawadanに入社し,和田さんからは仕事面だけでなく,社会人として,人として必要な事の多くを教わりました。指導をしながら学ぶこと,お客様との関わりの中で学ぶことも多くあります。後輩ができ,後輩から学ぶこと,気付かされること,刺激をもらうことも多くあります。良いも悪いも,様々な考え方やものの見方,振る舞い方に触れた事の全てが自分の糧になります。個人活動の中では,ここまで多くの人との繋がりを得ることはできなかったでしょう。

【柔軟性】
 前の章では,家庭教師が抱える代表的な課題と,その課題に対する受験塾家庭教師の取り組みについて述べました。「待遇が良すぎるのでは?」と社員が感じるほどの環境を整えながら,更にできることはないかと考え,社長はよく社員に相談くださいます。実際,入社以降も新たな制度・取り組みは増え続けています。必要な時に必要な体制を作る柔軟性があることは,引っ越しや,結婚,出産,子育てといった大きな変化にも対応できるということです。
 引っ越しや結婚,出産,子育てと言った大きな転機が訪れた時,一般的に「仕事を続けられない」可能性が生じます。産後休暇や育児休暇は多くの企業が導入していますが,同じ会社で働いていても片方の転勤によりもう一方は仕事を辞めなければならない場合があります。勤め先が異なる,勤務地が離れている等の理由で,結婚や転勤を機に片方が会社を辞めることは珍しくありません。私自身,結婚に伴い今と同じように働けない可能性があること,いづれ辞めなければならない可能性があることを考えました。いくら産後休暇や育児休暇があるとはいえ,22:30までの勤務をずっと続けることは現実的ではありません。お客様にご迷惑をお掛けする可能性もあります。様々な可能性を考えつつ,社長に結婚の報告をした際,お祝いのお言葉の次に頂いたのは,「受験塾家庭教師を辞めないでくださいね」というお言葉でした。先のことはわからなくても,その時々の状況に合わせて必要な体制を整えるため,辞める必要はない,というお言葉でした。
 家庭教師自体は全国どこでも自分の都合に合わせてできる仕事です。しかし,今のような安定した環境は他所では決して得られないでしょう。先のわからない状況の中,仕事の安定が保証されていることほど心強い事はありません。受験塾家庭教師は,会社に合わせて社員が動くのではなく,社員に合わせて会社が動く事ができる企業なのだと感じています。

【入社して一番良かった事】
 ここで,株式会社nawadanに入社して一番良かったと思う事をお話しします。それは,「成長できる場所であること」です。繰り返しになりますが,家庭教師は単独での活動が基本であり,自分で全てを決めます。「できる」「できない」の判断も,自分で行います。そのため,できることの領域が広がりづらく,仕事を選ぶため挑戦する機会も得られません。自分で自分の可能性を制限してしまいます。受験塾家庭教師に入社し,お仕事に慣れてくると「やってみましょう」が増えてきました。最初は,「無理でしょ!」と思いましたし,「和田さん鬼だ!」と思うこともありました。ところが,必死になってやってみると,案外できるものです。
 恥ずかしながら,失敗をすることもあります。社長である和田さんに叱られることもあります。頭ごなしに叱られる事はありません。「何が問題であったのか」「これからどう対処するのか」「どうするべきであったか」順に整理し,問題解決と再発防止に取り組みます。受験塾家庭教師では,失敗した時に限らず,社員同士,または社長と議論を交わすことがよくあります。意見が一致しない事もありますが,感情的に口論するのではなく,冷静に議論を交わします。冷静に議論を交わすながで,時に自分とは異なる考え方を知り,時に自分の考え方で良いことを確かめます。そのような議論の中で,自分の考えを発展させたり,改めたり,新しい見方を手に入れる。こうして,「家庭教師」から「プロの家庭教師」へ成長しているのだと,私は感じています。

【最後に】
 受験塾家庭教師は唯一無二の会社です。お客様だけでなく,社員を大切にしており,社員がベストな環境で働けるからこそ,お客様にベストな指導とサービスをご提供できます。そんな受験塾家庭教師を作り上げているのが,社長である和田さんです。社長であり,現役の家庭教師でもある和田さんは,株式会社nawadanで誰よりも働いています。社長が一番先頭に立ち,社員を引っ張ってくださいます。理路整然とされており,合理的で,時に痛いところを突かれます。新しい事に挑戦するときは,少し大変です。真剣になるほど,不甲斐なさを感じる事もあります。それでも,和田さんの「大丈夫」という一言があれば,「よし,何とかなるな」と自分を信じることができます。受験塾家庭教師で働いていると,自分(生活)のためだけでなく,お客様のため,受験塾家庭教師のため,和田さんのために働き,そのために自分を磨きたいと心から思うことができます。私が働く受験塾家庭教師(株式会社nawadan)は,そのような場所です。