サバイバル1等賞「戦略」

戦略

一先ず行ったのは、理念を構築し目標を設定すること。次いで身辺整理を行って残された可能性(時間)の把握、解決すべき問題の抽出と抜本的対策、など多種多様に渡り盛り沢山。 これら全てを結び付ける相関性を導き出さなければならない。闇雲に実践させても上手い具合には機能しない。如何に整合性を導き出して信憑性を確立させるような徹底的なる努力を行うことが出来るか、に掛かっている。先見性を宿さないと誰しもが出来ることではない。

それでは早速、検証です。もっと具体的に分かり易く彼に行ったことを噛み砕いて話をしてみましょう。 理念構築としては、理学療法士になりたい!、ということで十分だ。 目標としては、◯◯大学、◯◯大学、◯◯大学、◯◯大学、◯◯大学、に進学したい。身辺整理としては、成績微妙(残念ながら評定平均値を活かせない)、健康状態良好、検定資格無し、部活役職無し、年間休日数一桁程度、で確認完了。残された可能性を大凡16ヶ月という残された時間。 このような感じで彼のパーソナリティーを改めて整理整頓する。

早々に全ての大学の過去問と入試要項、大学案内を入手。まずは大学案内から彼自身が、ここ!!、と思うところをチョイス。もちろん上から下まで全部読みまくる。読みまくってイメージを膨らませることが先決なのだ。それに伴って入試要項から出願する試験を吟味。そこでAO入試、公募制推薦入試、一般入試に絞った。けれども一般への出願は薄い。それでも絞ったのだ。それは何があるか分からないからだ。だからと言ってセンター出願は、彼にとって荷が重過ぎるので、あっさり見送った。

次に過去問から挙げられる彼自身の改善点を1つ1つ対処。戦略的放置(合格点を確保する方法と高得点を獲得する方法は大きく異なります。)を見据えながら、各所様々なマネジメントを現場有り気で立証していく。この作業は一見すると、とにかく時間が掛かるように見えます。けれどもそれは単に一見にしか過ぎません。長期的なスパンで物事を考えた場合、遥かに時間の掛からないことが時を経て実感出来るはずです。これは経験した方々にしか分かりません。如何に時間を有効活用し、勝算を上げることが出来るのか、という課題を時間軸にそって計画的取り組まなければならなりません。

では次に、AO入試について考えみましょう。イメージとしては、評定平均値が明らかに悪くても出願すれば学力試験も無いので合格に比較的近い、と勘違いされる方々がとても多い。けれども、それはもう数年以上も前の話である。実質的にはそうではない。率先して対応していない学校の先生方に本当に多い話なのだが、その状況をまったく知らない。そういう方々に多いのが、結果如何で掌を返したり、自分にとって良いモノだけ、を取り込むことしかしないとか、感情的に言動を振る舞ったりする。

教師歴20年、30年とかでは、これら姿勢を決して払拭出来ない。自分がエライとか、自分がスゴイとか、そんな勘違いをしてはならないのが社会通念上相当の見解であるはずなのだが、それすら知らない者が多い。及ばない経験が20年、30年も培われていることを認識し日々、培うべき鍛錬に努めるべきであろう。気付く、ということは何事も対処するうえでの大切なツールである、ということを是非とも知って頂きたい。そんな事とは真逆に、率先して対応している学校の先生方には共感する部分がとても多い。やはり、そういう先生方が在籍する学校は、合格率も高いのが実情のようだ。さすがだな!?、と驚かされることもあり、学校の教師なんか辞めて、受験塾家庭教師で全力を尽くしませんか?!、今の給料の1.5倍で支えますよ!!、とアプローチしたこともある。残念ながら受験塾家庭教師で全力を尽くして頂けることは無かったけれど、未だに良い関係を続けさせて頂いている。

さらに細かく進めていくうえで、注意して頂きたい事をお話しします。それは評定平均値に関わるものです。出願資格で、評定平均値の縛りがない、という事例はよくあります。だから、と言って、まったく反映されない、という訳ではありません。評定平均値に関わる数値は大きく反映されています。ただ信憑性のある絶対的な根拠はまったくありませんが、私や受験塾家庭教師がこれまで背中を押し続けてきた経験を元にして、導きだしてきた経験によるものです。照らし合わせれば、だいたい思った通りの結果に成り得ています。資格のところに、評定平均値はない。けれども選考のところに、調査書・面接、と書いてあれば正しく考えられる通りです。調査書という言葉を書類という言葉にしていたり、評価方法を総合評価としていたり、そんな感じで明記してあります。言動如何にしても成績がモノを言ってる事実は明確です。そりゃ〜そうですよ!、大学サイドの立場を考えると妥当性は大いにあります。言った言わない戦略で乗り越えられるような壁ではありません。言葉にしがみ付くのではなく実態にしがみ付くべきでしょう。それを知ったうえで作戦を実行させるべきです。

少子化の煽りを受けている大学が少しでも多くの学生に出願してもらうべくAO入試という色を活用して、早い段階で優秀な生徒を確保したいのは当然です。これは素晴らしいことだと思います。それを理解して対応すべきです。相手がどうだから、制度がどうだから、というのはナンセンス。むしろイチャモンつける方が???です。これは完全に負け惜しみです。厳しい言い方をさせて頂くと、早く気が付いて即座に対応したモノが合格を獲得することが出来て当然です。是非とも大きな視野で周囲を見て頂きたい。気付く、というツールも戦略を担う1つです。そこに大きな価値を秘めていることを知るべきです。橋を架ける為には場所と時間とタイミングと安全性と妥当性とその他様々な要素が自分の想像を超える以上にたくさん必要です。何が欠けても成し遂げられません。橋を架けるだけに努力をしても無駄なことです。

さて、それでは得点要件を確認しましょう。検定資格をもっていたら10点とか20点とか、部活動成績の適用で県大会ベスト8位以上で10点、をそれぞれ得点に繋がる要件を発見。残された時間を検定試験と部活動に費やして得点確保に攻めの姿勢で臨むべきです。これで大凡、確保手に入る得点を導き出すことが出来ました。後は如何にして努力を積むかです。次に教科を選定しましょう。完璧なる程に苦手な数学。これを活用しないで出願をする良い方法があることは理解出来た。ならば今のところ、この方法しかないだろう。国語、英語のみを続行。これならば現状のご予算もクリアーするし、集中力も分散されない。これでいくしかない。よし!、大凡、定められる部分は定めることが出来た。情報を徹底的に集めて、さらにブラッシュ アップさせる為、解決策を導いていくスタンバイを早速スタートさせよう!、今に見てろッ☆

私、和田成博は根っからの数学と理科のプロ家庭教師。勿論、英語の対応も十分に可能ではあものの、国語を対応することが相変わらず出来ない。だから右腕的スタッフに現状の段取りを全てバトンタッチ。数学の役割が入試の活力にはならないからだ。数学のポジションを、赤点脱出のみ、に位置付けて英語と国語の力を引き上げるように徹する。このような戦略を考えると私では及ばぬ力は明らかだ。要するに、私では国語における対応力不足だから、弊社優秀なスタッフに国語を任せたうえで対応科目を、英語、国語、数学、の3教科に絞る。後ろ髪を引かれる感情はある。けれども目先の感情に捉われていては、彼の成功は有り得ない。改めて入試要項を確認して頂きたいのだが、入試要項に記載された要件のみ、に全力を尽くす必要があるのだ。そして大学のイデオロギーに沿ったかたちで、自分の考え、を長期にわたって少しずつコントロールする必要がある。これでようやくスタートラインに立つことが出来た、と言える。後は徹底的に努力を行うだけ。梶谷先生!、後は頼んだぞ。私は彼を大きな視野で見守ることにする。