サバイバル1等賞「部活」

部活

『今年からは私が決める。キャプテンは◯◯に任せることにした。』

監督の突拍子も無い発言を受けて、キャプテンになるはずだった当の本人は、イライラ以外の何モノでも無かった。衝撃的な憤りを感じたのだ。

本人「僕がキャプテンになるはずだったのに・・・。」

と心の声が溢れる。彼ばかりでなく少なからず誰しも経験する状況が起きたのだ。なぜ僕がキャプテンになれないのか???、という疑問が頭の中を駆け巡る。朝練、夕練テキパキと動きまくっていた。一人だけの時も台風の時も、練習だけは一切怠らなかった。部活をする為に学校へ通っている、と言っても過言ではない程、バスケを愛している。

一方で、そう易々とキャプテンになれるわけがない、とも思っている。ただ訳の分からない水面下の動きやツマらない大人達の思惑が往来している気配をヒシヒシと感じる。理不尽で、かつ、何とも不思議な処遇が彼自身の身の回りで、たくさん、たくさん、たくさん起きているからだ。キャプテンになる、という夢は失墜した。

けれどもここで決して諦めるわけにはいかなかった。とにかく何とかさせるべく周囲の意見や諸先輩方の意見を集めて、顧問に詰め寄った。

本人「なぜ僕ではないんですか?」

、、、と唐突な物言いで理由を問いただし直様、自分の意見を主張した。こんなところでウヤムヤにされてなるものか!、自分で考えて行動に徹したのだ。教師に可愛がられる良い子ちゃんでは到底考えられない言動であっただろう。

そもそもこの一件は本当に不思議なものだ。本人も顧問の発言に驚いていた。彼の方がキャプテンとして相応しい、と示唆している。勿論、周囲の同級生達も、諸先輩方も、みんながみんな考えが一致している。けれども部活顧問は一切考えを変えない。例年、諸先輩方みんなが各所いろんな意見を投じて推薦し、部活顧問が任命していた。しかしながら、今年度からは顧問が独断で決める、という状況。戦略的に漸進させない気配を感じる。むしろ、させようともしない。当然の如く説明もしない。教科書通りの教師的なよくある衝動的対応。

これでは合理的根拠や整合性をまるで見出すことに繋げられない。その信憑性もまるで見出すことが出来ないことは言うまでもない。結果的に、憤りだけ、が残った。何かが理不尽。不思議過ぎる。何が何だか分からないが、これまでのいろんな処遇が走馬灯のように頭を駆け巡る。

もうこうなったらチームを引っ張って、良い結果に導く、という役割を果たし、チーム全体の功績を上げていくしかない。大変申し訳無いのだが、キャプテン!、〇〇にはそのアクティビティに付き合ってもらうことにしよう。とにかく優勝を目指して切磋琢磨、日々精進する。とにかく可能性を見出してやる!、もう本当に信じるべきモノを信じて歩んでいくしかない。 悔しいシコリのようなモノが残るが、何とか生き抜く為に考えて動きまくってやる。絶対に諦めてなるものか!