サバイバル1等賞「成績」

成績

3年生への進級を何とか果たした1学期早々、またもや事件が勃発した。それは呆れてモノも言えなくなるぐらいこと。その事件とは、自分よりも点数の悪い同級生達に赤点がついていない、にも関わらず、自分にはシッカリと赤点がついている、というものだ。とは言っても、そこまではよくあるコトなのだが、そこで担任の発言に耳を疑うモノがあった。

担任『赤点の成績を絶対に変えないからな・・・』

という発言。明らかに意図を感じる。しかし彼自身とても冷静だったように思う。これまでにも幾度と無くアクシデントを乗り越えてきた経験もあり、順序と手はずを考えて静かに、そして速やかに行動を起こしたのだ。

親御様「和田先生に電話しよか?・・・」

本人「この程度なら和田先生に連絡せんでもええよ・・・」

、、、という会話。本来このような一連の状況を考えると、一見オモシロいことでは無いのだが、イタズラにも少しオモシロさを感じる。同時に彼自身の成長も感じられる良い機会となった。私は対応教科(科目)の兼ね合いもあり、彼の担当からは一時的ではあるものの一旦外れている状況なので、この一連の話にはまったく関与していない。彼自身の問題を彼自身で解決したうえで彼から話をしてもらった内容である。この話を社内の何人かのスタッフに話したところ、某スタッフいわく、仕事の出来る高校生になっちゃってるじゃないですかぁ〜〜?!、と少し羨ましい感じで微笑んでいた。

赤点を消す、という目標を達成させなければならない!!!

信念を心に宿し行動に徹する必要がある。ヘコヘコと担任に頭を下げて頼み込むなんて絶対にしない。ヘコヘコするぐらいなら赤点のままで良かった。だから、と言って突破口を開かないといけない相手に対して、敵対的な感じで接してもいけない。大切な事を全力でヤリきれば、自分で考え行動して、必ず自分の導きたい結果を導くことが出来る。そうなるように考えられるし、意外とそうなるように出来ている。

絶対に変化しない、という赤点を変えるには、どうすれば良いのか!?

これを考える事が一番大切。そこに力を集中させる必要がある。状況に対して端的に一喜一憂するなんてことは、責任を放り投げているだけで決して解決には至らない。勿論だが、彼自身これらの認識を従順に承知していたことだろう。

いよいよ作戦が実行された。

周囲の友人達に点数を聞きまくる(周知)。ハッキリした数字を聞いてはいないが数十人程度、聞きまくったようだ(妥当性)。こういった「裏付け」をとってから担任にとことん詰め寄った。要するに交渉である。その介もあり、幸いにして後日、担任の先生から連絡があった。絶対に変えない!、と豪語していた赤点を無事に変えることに繋げたのだ。これで胸を張って出願に挑む事が出来る。出願書類の段取りをする為、夏休みにお伺いさせて頂き、この一連の話を耳にした。

和田「おまえ!!ようやったなぁ〜〜(笑)」

本人『だって、絶対に赤点とったらアカン、って先生言うてたやん!!!』

絶対に変えない!、と豪語していた赤点が一高校生の動きで変わった。彼の成長は明らかである。これは本当に将来が楽しみだ。これからも反骨精神旺盛に育って頂きたいものだ。彼とはいっぱいケンカしてきたし、いっぱい笑ってもきた。ちょっとぐらい尖っていた方が社会に出てからは丁度良い。

和田「ほんなら今日中に出願の段取りをやってまおか!?、時間いける???」

本人『うん。いけるで!!!』