トツゲキ人生「特許」

健康も抜群に約束されたことだし心置きなく仕事に励むことにした。そこで前々から気になっていた3つの課題を自分自身に打つけてみることにした。プロ家庭教師の精鋭部隊を創る、というコト。受験塾家庭教師の商標を獲得する、というコト。受験塾家庭教師モバイルサイトを立ち上げる、というコト。それも、年内中に目処をつけて全てヤリ遂げる、という目標を掲げてタイムラインの構築に勤しんだ。タイムリミットは6ヶ月。通常の業務を行いながら特別なコト、初めてなコトをするのは飛びっきり大変なことだ。けれども体が健康と分かると、どうしても自分の限界に挑戦したくなる。学生の頃から何にも変わっていない。すこぶる健康なので調子に乗ってしまっていたのだ。

最初に取り組んだ諸行としては「受験塾家庭教師」というワードの商標登録の申請である。これは一番大変そうなコトでもあったし、一番手の掛かるコトでもあったことは自分自身でも理解していたからだ。まるでピーマンを最初に食べる小学生のようだった。まずはネットで特許庁を検索、そしてホームページ上を隅から隅まで調べまくる。「役務」について、あまりよく分かんなかったので質問メールとして直接、特許庁へ送信した。もちろん送信後、直ぐに特許庁へ電話で連絡もした。あくまでもメールは電話で回答が得られなかった時の保険だ。これが私の用心深さである。

その内容は、役務を明記して申請する、というものだが特許庁に明記してある役務一覧には、家庭教師の云々みたいな事例が何処にも見当たらなかったのだ。けれどもそれに近い役務を見付けることが出来た。第四十一類の、学習塾における教授、予備校における教授、語学の教授、という部分である。家庭教師、という仕事が社会的一般的には役務として取り扱うには至らないという事には驚いた。家庭教師と言えば登録派遣、というのが主流であったから止むを得ないだろう。受験塾家庭教師のように雇用契約を結んだうえで家庭教師というサービスを提供する、というのは確かに希少。無くて当然。ならば懇願するしかない。このままでは商標登録を果たすことが出来なくなってしまう、という不安と心配が過ったのだ。正直、メールを打っている場合では無かったがタライ回しにされても嫌だったので先にメールを送信し、電話をした次第だ。

電話ではとにかくツベコベ言い過ぎるぐらいに言った。間違いなくうっとおしい感じだったに違いない。とにかく課長クラス以上の方に取り次いでもらいたかったからだ。その方が話が早い。電話口ではヒシヒシと迷惑そうにしていたのは理解出来たが、何とか代わってもらう事に成功。作戦的には上手いこといった、と思ったが考えは甘かった。自分のやっている事業を説明しながら役務を重ねていく作業なのだが、なかなか前へは進まない。第四十一類では重ならないし第35類の、職業の紹介、職業のあっせん、といった役務にも重ならない。自分の行っている事業にまつわる役努が存在しない、前例が無い、というのが現状なのだ。二進も三進もいかないので改めて電話をして頂ける事を約束して、そのタイミングを後にした。

それから3、4週間ぐらいが経ってから約束通り、その時の課長さんから連絡を頂いた。そこでの回答は、「既存の役務には存在しない」という事なのでこの度は第四十一類に該当するカタチで以て「家庭教師による学習指導」という役務で申請して下さい、というモノだった。それを聞いた瞬間、もう感無量。これで一歩先へ進んだ。一個人が特許庁へ連絡して存在しない役務を導き出し「受験塾家庭教師」という商標を登録するのだからコレ程にオモシロい事はない。序でに、学習塾における教授、を添えて申請することを心の中で決め、ドサクサ紛れに提出する為に楽チンな方法を教えてもらうことが出来た。問題が解決されれば以後、対応は光の速さ。申請なんてアッと言う間に完了。なけなしの小銭を全力投球させて一先ず万事オッケー。