トツゲキ人生「錬磨」

雲を掴むような思いで四苦八苦しながら、今まで自分が導き出してきた求人内容やシステム構造は、満更でもない、という事を年健調査で確信することが出来た。そのうえで、さらに求人内容のブラッシングを掛けるべく、とことん知恵を振り絞った。そうこうしている内に新しいスタッフが1人増え2人増え、以前のような活気を取り戻すことが出来つつあった。何とか1ヶ月足らずで行方不明社員の空けた穴を塞ぐ事が出来た。これは不幸中の幸いである。今の現状でも募集を掛ければ、スグに人を募ることが出来る、と分かった。けれどもコレで甘んじてはならない。いつ何が起きるか分からないからだ。安堵を以て休んでいてはならない。限界に挑み続けるべきである。そんな訳で直様、取り組む事にした。

まずは日程表と給与の結び目を強くする為、残業代の支給方法を労働基準法に当てはめて適正対応することにした。直行直帰であるからこそ「妥当性」という概念は必要条件となるだろう。社会通例一般的という事を原則とすれば問題無いはずである。支給の方法を考えながらも同時に人件費の節約も考えた。もちろん状況如何では残業を発生させねばならないケースもあるだろう。ただ節約に隠されているのは、賃金効果だけ、ではない。スタッフの心に余裕を与えることが出来るのだ。これは目には見えない大きな価値と言えよう。懐と心のバランスがとれていれば、スタッフ本人だけでなくお客様や会社にとっても安定した良い状態を継続させることが出来る。

次に休日を見直すことにした。週休二日制を導入している、とは言えども従来は平日を絡ませていた。ただこの度はその点を原則土日としたのだ。これは良い意味での挑戦であったが、勝算は無い訳でもなかった。成り立つ、とう自信が十分に存在していた。さらにお客様の都合ならびにスタッフの都合に合わせたカタチで以て、有給休暇を会社に申請することだって出来る。許可さえ降りれば「連休」だって見込めるのだ。原則土日の週休2日制で、さらに連休を見込むことが出来るのは大きな価値であり、スタッフを安定供給出来る、という面では会社としても大きな強みとなっている。また土日に関係無く働こうと決め込んでいるスタッフもキチンと残業代が支給されるので吉。もちろん割増賃金が発生するのだから、より一層ヤル気になるのは当然だ。休みたいスタッフにとっても、働きたいスタッフにとっても、双方共の価値を見出だすことが出来ている。

最後に経費立替金の該当項目を増加させる為、普段の通信費や車両ランニングコストだけでなく車検代金にも手を入れてやることにした。ただ全額という訳には当然いかない。それでも大きな部分で言えば、バッテリー代やタイヤ代なんていう項目でも会社が負担する構えを導き出した。ただし、事前相談無し、では受け付けすることは出来ないだろう。好き勝手な感じで私欲が含まれてしまい兼ねないからだ。この取り組みは、直行直帰という就業スタイルである以上、私用と仕事用がどうしてもスクランブルされてしまうので、働くスタッフとしては大変、助かるものになる。そればかりでなく会社にとっても実は大きな効果をもたらしてくれる。継続的な車両の維持管理をしなくて済むからだ。双方にとって旨味が存在する取り組みは、皆に良い効果を自然ともたらしてくれている。

以上3点の改善により受験塾家庭教師における就業環境で、さらなる飛躍を導き出す事が出来た。就業内容と求人募集を交互に手を入れ続けてきて早いモノで2年半になる。これこそが正に集大成と言っても過言では無いだろう。ここまでの道のりは平坦なものでは無かった。ただ今はその分だけ充実感を感じている。恐らくだが家庭教師業界でも羨むような就業環境を導き出すことに成功しているはずだ。素晴らしい人材を確保するには、それ相応のしっかりとした環境が必要になる。受験塾家庭教師だからこその人材は、受験塾家庭教師にしか存在していない。それが受験塾家庭教師の価値なのだ。