トツゲキ人生「審査」

就業環境も整えたので、いざ求人募集、とばかりにハローワークへ直行。この時ばかりは意気揚々。求人担当の方ともいろんな話をしながら募集準備を整える。もう小慣れたものである。午前中お昼間過ぎに募集要項を持ち込むと大凡、翌日には掲載アップされる。またハローワークだけでなくインターネット上でもアップされるので期待大だ。ちなみに費用は一切掛からない。全国に求人募集要項が翌日掲載されて費用も掛からないのは大きな強みである。いよいよココからが勝負だ。自分の編み出したアイデアが世の中に受け入れられるか、が表立つ瞬間。ドキドキしながら次の日を待つことにした。翌日、早速オープン11と同時に問い合わせの連絡が入ってきた。もちろん胸も高鳴る。単なる問い合わせ、名乗りもしない失礼な問い合わせ、深みのある本気そうな問い合わせ、活き活きとした元気な問い合わせ等々、千差万別なモノばかりだ。それからしばらく立て続けに連絡があり中には、エントリーシートを送ります!、というところまで話が及ぶこともあった。時間に伴って求職者からのエントリー数が増えるのは安堵感を与えてくれる。ただ勝負はここからである。誰しも彼しもハイハイ入社させる訳にもいかない。それはアルバイト感覚で、ワガママ有り気で、正社員や準社員になってもらって仕事をしていては、とても困るからだ。

ハローワークの御蔭もあって連日、問い合わせ数は増えていった。とりあえずこの度、創り上げた募集要項はまずまずと言えるのだろう。問い合わせ件数を見れば一目だ。ただコレで甘んじてはならない。どんどんブラッシングを掛けていく必要があるのは十分に理解している。そうこうしている内に幾つかエントリーシート等の書類群が届いた。もちろん即時即日チェック。ただ一見、何とも言えない書類群ばかりだ。学識相応の学校を卒業しているものの前職前々職を直ぐに辞めている。写真イメージは穏やかなのに字が細く荒い。誤字脱字がとても多いのに、国語の対応希望、というコメント。もう何とも言えない。正社員の書類選考なのにナゼにこんな杜撰なのか?!、ショッキングな書類群ばかりである。そんな状況下でも面接審査に漕ぎ着けることの出来る書類群も幾つかあったのは幸いだ。けれども中には面接の日取りを約束するべく連絡するのだが、予想だにしない障壁が存在していたりもする。それは「現在お客様の都合でお繋ぎすることが出来ません。」というアラート。おいおいマジでか?!、正に意気消沈である。そんな難点を幾つか搔い潜り、ようやく面接審査を行うことが出来る現状も稀ではあるものの存在する。10通やって1通2通有るか無いかの奇跡である。実際のところコレが現実なのだ。

晴れて面接の日取りも決まり、いざご挨拶。当初、責任感バリバリな事を言うが、発言と行動との誤差、つまり矛盾点を指摘するとショボン。志望動機を聞けば、待遇を指差しあぁ~だこぉ~だ。待遇が良い事なんて百も承知だ。そんな事を聞きたいんじゃない。働きたい理由を聞きたいのだ。挙げ句の果てには何にも聞いていないのに、教師歴ウン十年!、○○中学○○大学を合格させた!、というような押し切り発言を終始繰り返したりする。いろんな方々がいるのもまた世の中。だからこそ面接審査は必要なのだろう。幸いにして不思議ちゃんばかりでも無く、会話が成立する方々も存在したのは救いだった。2ヶ月3ヶ月を経て、数十通の書類選考の中から数人程度の面接審査を経た上で2名を採用することにした。面接を乗り越える為の面接対策をとるのではなく、仕事を乗り越える為の面接対策をとってもらいたいと実感した求人募集であった。